インクがより楽しめるようになった呉竹の「からっぽペン カートリッジ式」

万年筆のインクを吸入して、マーカーペンのように使える「からっぽペン」はインク沼の住民が注目し、今ではインク沼に限らず気軽にインクを楽しめるため人気の文房具です。

「からっぽペン」は2019年の年末に開催された「文具女子博2019」で限定販売され、大好評で2020年3月に「からっぽペン ほそ芯(0.4mm)」が発売されました。
その後、2020年7月に開催された「文具女子博 petit 名古屋」にて、「ほそふで芯」が先行販売されました。
これらは、綿芯にインクを吸入させて軸に入れると、フェルト芯にインクが行き渡りマーカーペンのように筆記できます。
フェルト芯のため、どうしてもインクの供給が渋くて色味が淡くなる傾向にありました。

今回、インクの吸入部分がではなく、万年筆同様にカートリッジタイプが発売されました。

呉竹「からっぽペン カートリッジ式」

製品情報

  • ペン先タイプ:細筆 / 毛筆
  • 価格:
    細筆タイプ 500円(税別)
    毛筆タイプ 800円(税別)
  • カートリッジ:2個入り

製品特徴

使い方は、
1. 付属のスポイトでインクをカートリッジに移す
2.付属のボールでカートリッジに栓をする

3.ペン先にカートリッジを挿入する
しばらくすると、インクがペン先に浸透して筆記することができるようになります。

注意点というかポイントがあります。
スポイトでインクを移す際に、スポイトの先端をティッシュ等で拭うことです。
拭わないとカートリッジの口にインクが付いてしまうと、カートリッジ内の空気がうまく抜けずインクを移すことが難しくなります。

カートリッジが2つあるので、1つはあらかじめインクを入れておいて予備としておくことができます。

従来の「綿芯」タイプは使い切りタイプでしたが、「カートリッジ式」は繰り返し使えます。
異なるインクを使う場合は、ペン先をぬるま湯に1日浸け置きし、使用していたインクが抜けたことを確認してから、新しいインクを使うようにします。
異なるインクに変更する方法は万年筆と同様です。

せっかくなので、同じインクで従来の綿芯タイプの「ほそ芯」「ほそふで芯」と、カートリッジ式の「細筆」「毛筆」で筆記してみました。

セーラー100色インク「931」と「からっぽペン シリーズ」(左から「ほそ芯」「ほそふで芯」「細筆」「毛筆」
セーラー100色インク「931」と「からっぽペン シリーズ」(左から「ほそ芯」「ほそふで芯」「細筆」「毛筆」

用いたインクは、フラッシュしやすいセーラーさんの100色インクの「931」で、書いた用紙は神戸派計画さんの「GRAPHILO|グラフィーロ」です。

テスト結果
テスト結果
ちょっと斜めから見てみた状態
ちょっと斜めから見てみた状態

結果は一目瞭然ですね。
綿芯タイプはフラッシュしていませんが、カートリッジタイプはしっかりとフラッシュしていますが、「毛筆」はめちゃくちゃフラッシュしています。
この違いはカートリッジ式になったことにより、インクの供給が潤沢となりインク溜まりができた結果です。
カートリッジタイプはインクの色味は万年筆のB(太字)と同じように楽しめます。

インクの供給が潤沢になったことがわかりましたので、ラメ入りインクでどうなるのか実験してみました。
使用したインクは「DIAMIN」の「Blue Flame」で、用いた「からっぽペン」は一番インクが供給された「毛筆」です。

実験結果(インク名は「ガラスペン」)
実験結果(インク名は「ガラスペン」)
ちょっと斜めから見てみた
ちょっと斜めから見てみた

ガラスペンで筆記した「DIAMIN Blue Flame」は見事にラメが入っていますが、「からっぽペン 毛筆」はあまりラメが入っていません。
よく見てみるとラメはあるのですが、やはり筆の通るのでラメが潤沢には供給されないようです。
ラメ入りインクを楽しむのは、やっぱりガラスペンが一番ですね。

従来の綿芯タイプもインクを手軽に楽しめるのですが、インクのポテンシャルを最大まで活かそうと思うとカートリッジ式です。
そして「さすが呉竹さん!!」と唸るのが、「毛筆」です。
本当に小筆を使っているような滑らかなペン先です。
ちょっと気になるのは、ペンサイズが181mmあり新品の鉛筆よりも長いので携帯方法に悩みます。
カートリッジが2個入れらるためこの長さなのか、筆に合わせてこのサイズなのかわかりませんが、カートリッジ1個だけ入れらるサイズに変更してくれないかな。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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